SM BARは非日常を楽しむ為に
自己を解放しに来る人たちの
社交場として賑わっている。
僕がSM BARにちょこちょこ行くようになったのは
自分の性癖が判然としなかったからだ。
割合で言うと6:4でM強めかなと思ってるくらいだった。
女風の世界に飛び込んでみていろんな変態や、
いろんな性癖、いろんな趣好を持つ人間を見てきた。
足を舐めることが好きな人、
臭いフェチな人、
お尻好きな人、
加虐が好きな人、
支配したい人、
開発に興奮を覚える人。
(何個かは誰のことか分かるな)
これっていう性癖があることが羨ましくて
まだ自分でも気づけてない性癖があるのか、
ないのかもしれないけどそれを確かめたくて
ちょこちょこ行くようになった。
初めて行った日は、
来たからにはとにかく何かしてもらおうと思って
ただビンタをしてもらったけど
ただ面白かっただけで性癖とは違ったっぽい笑
先日、アルカディア大阪で行われた
蒼月流生誕祭第三夜にお邪魔させていただいた。
SMの世界に詳しくない人の為に補足すると
(そんな僕もめっちゃペーぺー)
蒼月さんはSM業界で【王様】と呼ばれている。
僕の知る限り他に【王様】クラスの呼称で
呼ばれているのはキングカズくらいだから
それくらい大きな存在で、
僕が日記で書くには烏滸がましい方だ。
(ご本人の許可は得てます)
でも、すごく気さくな方で
「甥っ子に似てる永士くん」って
毎回、話しかけてくれる。
その日、
緊縛されて脳イキしてる女性を見ていて
男が緊縛されたらどういう現象が起こるのか
気になって蒼月さんに質問してみると
「一回、縛りましょうか」と
僕が蒼月さんの甥っ子さんに似てることも手伝って
蒼月さん自ら緊縛してくれる流れに。
緊縛の受け手を経験してみたいと思ってた僕には
最高に贅沢なおいしすぎる展開で、
王様が縛ってくれるということに
緊張しながらも楽しもうと腹を括った。
まずハグをして安心感を与えてくれた。
そして怖くなった場合の拒否する権利をくれ
五感で感じる大切さを助言してくれた。
例の香水の香りが鼻に触れる
後ろから耳元で囁き
指を立てて太ももや下腹部に圧をかけられ
緩急をつけて縄で縛りながら
乳首を刺激される
そんなことを受けながらも
BL緊縛(2人ともboyではないむしろおっs、、、)
だから周りのお客さんのざわつきと視線に
聴覚と視覚が持っていかれて気になってしまい、
蒼月さんが導こうしてくれるところを
掴もうと思いながらもなかなか難しかった。
口元を押さえて呼吸を管理されたところから、
少しスイッチが入って
蒼月さんに身を委ねるようになった。
ふと正面を見ると
お客さんのAさんの呼吸が荒くなっている。
目に涙を溜めながら、
はしたなくて、情けない表情をしている。
彼女は感じていた。
あとで話を聞くと僕が蒼月さんに
縛られていることに嫉妬していたらしい。
「永士くんが感じるのを見てあの子も感じてるよ」
そう囁かれて僕は責められながらSのスイッチが入る。
Aさんが僕の姿を見て感じてると思うと
もっと気持ち良くさせる為に
それまでより解放して入り込んで感じることができた。
周りから見ると縛られて責められてるのは僕だけど、
視線でAさんを責めていた。
これもあとで聞いたけど、
僕の目が
「セクシーでギラギラしていて劣情を煽られた」
と言ってくれた。
言葉選びがいちいち刺さる。
3人の世界だった気がする。
少しずつ、でも確実に高まり続けていた刹那
蒼月さんが左腕を振り下ろしたら
Aさんは腰から折れて果てた。
もちろん蒼月さんも僕も一度も彼女には触れていない。
実は常人には見えない透明な鈍器を持っていて
それをAさんの頭に振り下ろして殴ったのかと思うくらい
綺麗に堕ちた。
全てが終わってはっきり分かったのは
自分がSだということ。
正確に言うとしっかりMも健在だから
6:4でSが強いと認識できた。
なにより
【女性のはしたなくて情けない欲情した顔】
が性癖だと知れた。
僕は己の趣好の為に
技術と知識を深める人たちを尊敬してます。
それは責め手の人も受け手の人も。
そういう人たちが集まるからSM BARは楽しい。
王様ありがとうございました。
※SM界隈でペーペーなのでSMを語るつもりはなく
自分の刺激的な体験を整理しただけのつもりです、
失礼があったらごめんなさい。
蒼月さんには許可を得てます。
santuario永士