小学生の頃のハルトには、ふたつの夢があった。

 

ひとつは「宇宙飛行士」。

果てのない宇宙に行って、知らない世界を見たいって本気で思ってた。

夜空を見上げるたび、あの星のどれかに立っている自分を想像していた。

 

もうひとつは「映画監督」。

想像した世界を、自分の手で形にしたかった。

…そしてなぜか、当時から作りたいのはちょっと“オトナ向け”の映画だったらしい。

（小学生にしてすでに道を踏み外しかけている。）

 

壮大な宇宙と、妙にリアルな欲望。

どっちも本気だったからこそ、今思うと少し笑える。

…映画監督 おそらくAV監督を夢みていたかもしれない。

 

でも——

そんな振れ幅の大きい夢を持ってた自分、嫌いじゃない。