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  • 2024-07-31

    もう一つ上の接客

    お客様に接すると書いて接客。
    長年接客業に携わってきた経験もあってか、「良い接客」とはどういうものか、
    たまに考えることがある。

    例えば高いホテルを利用した時、
    そこには洗練されたスタッフの丁寧さを感じたり、
    人によっては近年よく耳にするようになった「ホスピタリティー」を感じることもあるだろう。

    しかし先日、ある店舗に行ったときに接客を受けて、これとは違う新鮮な感覚を覚えた。
    ことばで表現すると、「柔らかい」接客なのである。

    丁寧なんだけど、度を過ぎないどこか自然な話し方。
    自然なんだけど、顧客との間に適度な距離感がある。
    適度な距離感があるんだけど、どこかフレンドリーさがある。

    ちなみにこのお店、都内に何店舗か展開しており、複数の店舗で買い物をしたことがあるのだが、
    どの店舗に行ってもこの雰囲気を感じた。

    ある意味で究極の接客とは、
    お客様にリラックスしてもらい、サービスを受けてはいるんだけど、
    そこにわざとらしさがなく、サービスを受けているのを忘れるくらい、
    自然体で接することができる雰囲気づくりをする、ということなのかもしれない。

    思えば昔、自分が働いていた寿司屋も、知る人ぞ知る高級店ではあったが、
    「敷居の高さを感じさせない」接客を心がけていた。
    出すものは本物、でもお客様には最大限くつろいでもらう雰囲気づくりをする。
    肩肘張った状態では美味しいものも美味しいと感じる余裕がなくなるのだ。

    「肩の力を抜け」
    野球をやっていた頃によく言われたことばである。
    でもそうやって肩の力を抜こうとしても簡単に抜けるものではなかった。

    小手先のテクニックではない「柔らかさ」。
    顔の濃さを変えることは困難だが、
    自分の醸し出す雰囲気を柔らかく変えるのは、時間がかかることではあるが、できると思っている。
    人として、FIRST CLASSのキャストとして、柔らかい人間でありたい、と思う。