写メ投稿
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2025-10-27
静けさの奥にある秋めく畔
朝の空気がかなり冷たくなったね。陽射しの角度が変わり、影が長く伸びていくようになった。
湖の畔に立ち、風の音と自分の鼓動だけが響くような時間に身を置くと、不思議と心が澄んでいく。
夏の名残が完全に消えたわけではない。けれど、もうあの熱気はどこにもいない。代わりに漂うのは、柔らかく乾いた空気。
木々が少しずつ色を変え、落ち葉が舞いながら足元を飾っていく。季節の手が、そっと肩に触れてくるような感覚がある。
静けさの中で思うのは、過ぎていく時間の不思議さだ。何かを手に入れようともがく時期を越えて、ただ在ることの豊かさに気づく。
誰かと語り合うでもなく、ただ自然の呼吸と自分の呼吸が溶け合う瞬間が、こんなにも心を満たすとは思わなかった。
過去の記憶も未来の不安も、すべてが今という静けさに吸い込まれていく。ただ、水面に映る空だけが真実のように見える。
季節が変わるたび、人は少しずつ変わる。無理に前へ進まなくてもいい。ただ、今を丁寧に受けとめればいい。秋の風が頬を撫でるたびに、そんな優しい声が聞こえる気がした。



