ふと夜空を見上げた時、水面に映る月を思い出す。手のひらで水をすくうと、そこにも月が揺れていた。遠く離れたものでも、心の持ちようでこんなにも近くに感じられる──そんな静かな奇跡に、僕は何度も救われてきた。

人との距離も、きっと同じだと思う。触れること、見つめること、受けとめること。目に見える関係だけでなく、もっと繊細で、柔らかくて、温かな繋がりがあるはずだと信じてる。

セラピストとして、多くの方と向き合ってきました。疲れた心にそっと寄り添うこと、一人では受け止めきれない感情を、静かに共有すること。そんな時間が、少しでも貴女の「本来の自分」を思い出すきっかけになればと思ってます。

「誰かに触れてもらいたい」と感じたとき、それはあなたの心が、あなた自身を大切にしたいというサインかもしれません。どれほど遠くに感じる想いでも、掬えば手に、きっと届くと信じてる。

心と身体にやさしい時間を、そっと用意してお待ちしています。

※掬（きく）えば手にとは
水を掬う（すくう）と、手のひらに月が映るという情景を表し、遠い月も、掬った水の中に捉えることができるように、どんなに遠い存在や、手の届かないと思っていたものも、心で近づこうとすれば、手の届くところにある、という意味で使われる言葉。