写メ投稿
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2025-08-04
甘く尊い招待状
【全ての貴女に捧げます】
またひとつ扉が静かに開く。彼女の声は少し震えていたけれど、その奥に潜む期待と欲望は、手の平に伝わってくる熱でよくわかる。
「初めてなんです」
恥じらいと渇き。満たされなかった時間と、見つけたかったぬくもりを求めているのを感じた。
ベッドに沈み込む身体。彼女のまつげが震えるたび、指先は、言葉の代わりに彼女の心をなぞる。どこを触れても、ひとつひとつが“初めて”として彼女の記憶に刻まれていく。
甘く、切なく、そしてどうしようもなく甘美なひととき。唇が触れ合うたび、心の壁がひとつ、またひとつと溶けていく。
彼女の吐息に混じる名前。欲望の中に見える、誰にも見せたことのない素顔。その夜、彼女は女に戻っていた。孤独の隙間に滑り込むように。
帰り際、貴女がポツリと呟いた。
「また、会える…?」あの言葉は、僕への甘く尊い招待状。
答えは、決まっている。