【全ての貴女に捧げます】

貴女の肌に触れた瞬間、震えるような吐息が漏れた。
指先が、長く待っていた扉をそっと開けるように、慎重に、でも確かに貴女の温もりへと進んでいく。

「こんなに求められたの、いつぶりだろう…」
そう呟いた声が、耳元で震えていた。

貴女はずっと、自分の欲を置き去りにしてきてよね。母として、妻として、仕事をこなす女性として。
その仮面を脱ぎ捨てるように、今、ベッドの中で素のままの貴女がそこにいる。

触れるたびに、少しずつ溶けていく心の鎧。
キスはただのキスじゃない。抱きしめる腕の力も、ただの慰めじゃない。
僕は貴女の「寂しさ」ごと抱きしめている。

貴女の中に指を沈めると、甘い熱がじゅっと立ち昇る。
言葉にしなくても、彼女の体が何を求めているのか、僕には全部、伝わってくるように感じるよ。
濡れた瞳が僕を見上げ、「お願い、もっと…」と唇が震える。

快楽に身を任せながら、心がゆっくりとほどけていく。
貴女の「生きてる感覚」を、僕がその内側から満たしていく。

終わったあと、汗ばんだ身体を胸に抱きながら、貴女が小さく笑った。
「…私、女だったんだって思い出した」
その言葉が、今日の一番の報酬だった。

貴女を抱きしめるために、僕は今夜も癒しを掴みに行く。