「欲に溺れて身を滅ぼす」という言葉があります
これは主にネガティブな意味で使われます
しかし、快楽のさなかには、「身を滅ぼしてもいい」と思っているんです、人間は
こんな状況下では、誰が諭しても、聞く耳を持ってもらえません
脳が快楽の支配下にあると、他者による冷静な判断を「うるさい」「うざい」「この素晴らしい時間の邪魔をするのか」と、排除する機構が働くからです
それぞれに込み入った事情もあるでしょうし、真面目に生きたほうがいいよと外野から、十把一絡げに、無責任に言うことがかえって相手の抵抗を強めてしまう
極端な言い方をすれば、人間が何かにのめり込んでいるときには、退屈な日常より、「燃え尽きて滅びたほうがいい」とさえ思っているものです
どんなに知識があり、どんなに賢いといわれている人でも、人間である限りはそうです
流されやすい傾向の強い人、というのはたしかにいますが、むしろ、自分は大丈夫だと高をくくっている人のほうが危ないのではないかとすら思います
真島がもし仮に、誰かを陥れようと思ったら、自分のことを賢いと信じ切っていて、判断力に自信のある人を標的にするでしょう
確信に満ちた人であれば、その人はいつでも引き返せるものだという自信があるので、深みにハマっていくのも早いでしょう
また自分を賢いと信じていればいるほど、それを心配して諫める周囲の声を論破しようとしますから、周囲にはイエスマンしか残らなくなり、あたかも自分の意志でそこから抜け出さないことを選択している、という状態をつくることができます
まあ、面倒くさいので、実際にはそんなことはしませんし、できもしませんが