午後3時
そろそろ本格的に起きましょう
風呂を沸かし、バスソルトを景気よくドバドバ入れる
普段は湯船に浸からないので、こういう時にもったいぶらずに使うのが良い
ノートPCにラップをかけ、ペットボトルとともに風呂へ持ち込む
湯船に浸かりながら仕事のメールを返す、部下から上がってきた申請を一件一件確認し、承認する
何やこれリモートワークやんか、という思いは水と一緒に飲み込む
全身の毛穴から汗が噴き出してくる、最初は汚れた汗、最近飲み込んだ嫌なことが、毛穴から全部出ていくようで気分が良い
それからサラサラした気持ちのいい汗が出る
身体の中が循環しているのを感じる、なにが循環しているかって?そんなん知らんがな
念入りに髪を洗いトリートメントをする
流すまでの間にクレイパックで顔面の余分な古い角質も落としてしまう
あ、もう風呂場に1時間半もいるではありませんか、そして仕事が片付いているではありませんか、訳もなく楽しい気分に包まれる
なにか善行を積んだ気にすらなってしまうだから、浴室の隅の小さな汚れには目をつぶっても良しとする
新しいバスタオルで全身を拭いて、気が向いたらマリアージュフレールの紅茶を淹れる
パナマは癖があって好みが分かれるが、私は好きだ
濃い目に出した紅茶に氷を入れる、美味しいたらありゃしない
ここでだいたい夕方5時、部屋が片付いてないことに気付く、また目をつぶる
さあ、なにをするか
マッサージに行くか、喫茶店に行くか
大きなあくびと伸びをする
喫茶店に行こう、美味しいコーヒーを飲もう
夕方5時からじゃ意識が低過ぎるが
長らく読みかけのままリビングに放置していた文庫本を、トートバッグに忍ばせる
夕方の向かい風がシャツの中に滑り込み、湿った肌を乾かしていく
午後5時15分、喫茶店でコーヒーを飲みながら文庫本のページを繰る、至福だ、これこそ休日
知人からごはんの誘い、ちょっと考えて、断る
今日は徹底的にダラダラしたいのだ
家ではバカバカしいテレビを見ながら、笑う
申し訳程度に部屋のゴミを拾い、やはり日のあるうちに掃除だけはしておけばよかったなと後悔する
誰とも何もシェアしない最高の休日
SNSに載せるものがまるでない、低め安定の休日
ダラダラするのに高尚な理由も言い訳も、そこから得られる特別な気付きも、なんにもいらない
ただ、ダラダラする、それでいい
夕方5時から意気揚々とカフェインを摂取しに行く真島を貼っておき〼