久々にスケールの大きなテーマが来ましたね。
大真面目に答えると、
人類史上一番素晴らしい発明品は「言葉」だと思います。
言葉がなかったらこの社会はないし、
この社会がなかったらアンモモもないし、
アンモモがなかったらこの写メ日記もないし、
この写メ日記を僕が書けて、
あなたが読めるのも言葉のおかげだし。
とくに、文字の発明はほんとに画期的でした。
それまでは声の届く範囲でしか、
その場限りでしかやり取りできなかったのが、
文字が生まれたことによって(文字通り)時空を越えてコミュニケーションできるようになったんです。
その究極形がインターネットですが、
手紙っていう形式もすごい発明ですよね。
もっとずっと遡ると石碑とかになります。
今の僕らが歴史について知り得るのも、
石とか木とか紙とかに文字が残されているおかげです。
日本語の文字はめちゃくちゃ特殊で、
ひらがな、カタカナ、漢字の3種類を使い分けています。
漢字はもともと中国からの借り物ですが、
カタカナとひらがなは漢字をもとに作られた日本語独自のシステムです。
表記体系が3種類もあって、それを当たり前に、ごく普通に使い分けているのって世界でも稀、というか日本語くらいかもしれません。
でも、「発明」という点で言うといちばんすごいのはハングルだと思います。
K-POP好きの人とか、ハングル読めたりするのかな?
僕もK-POPは(詳しくないけど)けっこう好きで、韓国語もちょっとだけ勉強したことがあるのでハングル少しですが読めます。
中国では漢字は紀元前から使われていて、
日本でも1000年以上前から今の文字の原型が使われ始めています。
でも、朝鮮語は長いこと文字を持っていなかったんです。
中華文化圏の中心に地理的に近すぎたせいで、日本と違い、漢字以外の文字を作る機会がなかったんですね。
(韓国でも知識層は漢字を使っていました)
それを憂いた時の世宗(セジョン)大王が15世紀半ばに「発明」したのが、
今のハングルの原型となる「訓民正音」です。
「民を訓(おし)える正しい音」の由来の通り、
世宗大王は当時、漢字を扱えない人々が自国の言葉を書き残したり読んだりできないことを嘆き、
国民の教育レベルを高めるべくまったく新しい文字システムを創りました。
普通、文字は自然発生というか、いろんな場所でぽつぽつと生まれて後から整えられていく、という流れが多いんですが、
ハングルはそうではなく、一人の人間を中心に「作るぞ!」という想いで作られたものなんです。
それだけでもすごいことですが、さらにすごいことに、ハングルって文字体系として本当によくできているんですよね。
よく、ハングルは覚えやすいって言われますが、それはこの文字が極めて合理的に成り立っているからです。
僕みたいに音声学をやっていた人間からすると、あまりによくできていてため息が出てしまうほど。
(どこがどうよくできているのか、という話は長くなるのでお会いしたときに……)
そんな文字が今でも韓国で当然のように用いられていて、
さらに、K-POP人気も手伝って世界中の人が勉強している、なんて、世宗大王が知ったらどう思うだろうか。
僕もハングルを勉強した甲斐あって、
電車に乗っていて「あれ今これ何駅だったっけ?」ってなったとき、
日本語、中国語、みたいにいろんな言語の駅名表示を切り替える系の電子パネルだったとしても
日本語表記を待たずにハングルが来れば駅名を確認することができます。
あのとき僕が乗り過ごさずに済んだのは大王のおかげ。
ありがとう大王。
世界一の発明をしてくれて。
ふゆきでした( ´◡‿ゝ◡`)