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  • 2024-02-01

    No.66 おすすめの本

    こんにちは!山田えいとです。


    大学生の頃、狂ったように村上春樹ばかりを読んでいたときがありました。


    村上春樹はアイデンティティの揺らぎみたいなものを描くのがとても上手です。希薄な自我、喪失、死。これらの重たい内容を、非常にポップに綴る天才です。内容はとても難解ですが、文体が易しいので読みやすい。これもまた村上春樹が幅広い年代層から好かれている理由のひとつかもしれません。


    僕は大学生の頃、文字通り「自分探し」をしているような人間でした。自分ってどんな人間なのだろう。一体、これから何のために生きて、どうなりたいのか。分からない。同時に孤独で寂しい期間でもありました。


    そんなとき、村上春樹作品は僕にとって慰めのような存在でもあり、それと同時にまるで聖書のような存在でもありました。


    輪郭、アイデンティティが不鮮明な私と、村上春樹の小説世界は、とても親和性がありました。物語の主人公に自分を重ねることはありませんでしたが、「読んでいて安心する」そんな気持ちにさせてくれました。


    そこで一冊、おすすめの本を紹介します。


    村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』です。


    なぜ、これがおすすめなのか。

    理由としては、「村上春樹を好きになれるかどうかの診断ができる本」だからです。笑


    ぶっちゃけると、村上春樹は好き嫌いが分かれます。ハマる人もいれば、全然ハマらない人もいます。


    この『風の歌を聴け』は、文量が少ないので読み切りやすく、初期村上作品の雰囲気が色濃いです。


    つまり、この本を「なんとな〜く読んでみて、なんとな〜く良いな」と思えたら、他の本も読むべきです。


    この小説は、いわゆる「共感できる!」みたいな要素は1ミリもありません。むしろ「なんだこれ」みたいな感じです。


    それでも、この本を読んでいて落ち着いたり、目新しさや面白さを感じたならば、あなたは村上春樹のこと、きっと好きになれます。


    比喩表現の跳躍力が非常にあるので、きっと読んでいて楽しいと思います。



    ということで、僕のおすすめ本の紹介でした!

    これ以上、語ろうと思えば3時間ほど語れるのですが、みんなが眠たくなっちゃうので終わりにします。笑