写メ投稿
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2025-11-23
無邪気と土星の輪と、ドレミの歌
物語が始まる前の街角で
無邪気が窓に映った気がして
振り返ると
音楽だけ流れている
そんな始まり方の夜甘い匂いが漂う店の前で
行先を探して見上げた空
土星の輪っかが そっと降りてきて
光る粒子が 降りそそぐ寄りかかった大きな木
葉から零れる声
耳をすませば
メロウな旋律が 響いて
扉を叩く リズムが震える都会の隙間の道から
カラフルな楽器を抱えた妖精が現れて
僕の前で風船が 弾けた
浮かぶ音符
肌に やわらかく吸い込まれる愛は語る
甘いクリーム入りのフランスパンみたいに
口の中で 滲んで
思い出を 抱きしめる頬に残った
小さな跡
遠くの星の 合図
胸の奥に潜んだ
ミルクの匂い裏表の窓に映る影
寄り添って 重なり合う
手を繋いで
輪っかが 繋ぐ
ひとりで泣かないように優しい蜃気楼
今日だけは
この街の果てまで 連れて
甘い匂いのする
あの小さな灯りのほうへ流れていた
雨の音
目から溢れた感情
静かに 溶けていくおやすみ
知らない星の下
ドレミで 微笑んで
心の記憶に 刻まれていく


