写メ投稿
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2025-10-30
タイタンと震える風と、忘れられた光の遺跡
シャワーの雫に錆びついた
開かない窓の向こうで
置き去りの名も知らぬ花が揺れていた
あの頃と同じ風が
同じリズムで
まだここに吹いていた行先の決まったレールに乗って
冷たい星に映る顔
擦り切れた透明なケースの隅に
空から零れ落ちた
夢の切符をしまい込んだまま歩いてきた足跡は知っていた
自由の鐘の残響が消えたのは
タイタンが遮る光の向こうに
旅立つことを怖れた
自分の影があったことを泣いてもいい
笑ってもいい
不完全なままで
集めた風に身を委ねればいい太陽がまた頭上で動き出し
影が足元へと吸い込まれていく
あの温もりが心の中に溶けていく暗闇の湖に潜って
君の中の光を探す
誰かのためじゃなくて
ただ、自分のために愛すべき不完全な君へ
忘れられた光の遺跡からのメッセージ
震える風の中で夢が呼吸して
僕は遊ぶように息をする


