写メ投稿
-
2025-10-12
雨と光と、終わりのない始まり
現実逃避で弱っていく細胞
何も持たないと思ったけど
生きていく才能が
あっけなく僕を生かした太陽が雲の隙間から覗く
けれど僕は
何度もそっぽを向かれたびしょ濡れの夕方
雷が響く中
何も考えずに自転車を走らせた空と木のあいだに見えた閃光が
絶望と見わけつかない
虚しさに変わる濡れた靴下を脱ぎ
手の中の温かさを感じる
踏んだフローリングが
優しい音を奏でた寝転んだ芝生から見上げた空
太陽の匂いが
思い出をかすめていく雲に隠れても
そこにいると知っている風で白いカーテンが揺れ
胸に触れた雫が
星の中の思い出に溶けていく――雨と光のあいだで
息をしている
それだけで
少しだけ前に進める気がした


