写メ投稿
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2025-09-08
鋼とユメの扉
僕はあの時
禁忌を犯して
錬金術で偽物の自由を手にしようとした錬金術は等価交換
「何かを得るには同等の代価が必要」
その代償として 心を失い
鋼のように硬く閉ざされた心は
欲望の影を呼び寄せ
ホムンクルス――人造人間、つまり人間の欲望そのものの象徴を
僕の前に出現させた失った心を取り戻すためには
「扉の向こうの真理」に会わなければならなかった──ある日
僕が描いた扉の中から
光と共にユメが具現化した彼女は美しく
強く 優しい想いを秘めていた
失ったものを取り戻すために
自ら代価を払い 「扉の向こう」から訪れた失ったものを抱えた二人が出会い
欲望ではなく 絆を選ぶ決意が
静かに しかし確かに芽生えていったそして ユメと僕は 真理と対峙した
強烈な風が吹き荒れ
全てを試すかのように
光と闇が交錯する中で
僕らは揺らぐことなく立ち向かった大切なものを取り戻すために
唯一の力――錬金術そのものを
代価として差し出した錬金術の力は失った
けれど その喪失こそが
「本当の幸せ」を得るために必要な選択だった命や絆は 等価交換では測れない
不完全だからこそ 人は尊く
夢と現実のあわいを漂いながら
ユメの物語は 光の差す方へと
静かに 続いていく