写メ投稿
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2025-08-19
水面に広がる花の音
朝の水面に
花びらがひとひら落ちてゆく
広がる波紋は懐かしい香りをまとい
胸の奥まで染み込んでいった波紋をたどり歩いていくと
淡い光に滲んで現れた
静かに目を奪われる、美しい人がいたその笑顔は静かで
どこか遠い影を抱えているようで
同時に、やわらかな温度を放っていた貸し切りの小さな部屋に響く共鳴の音
振動がふわりと触れるたび
心は少しずつほどけていく
前よりも深く、言葉を交わし
互いの中に流れる波の形を確かめ合ったテーブルに置かれたのは
冷たく甘いアイスショコラ
それはただのデザートではなく
過去の痛みをやさしく溶かし
未来への切符に変わるようだった再び歩き出す時
水面に光る波は空へと舞い上がり
まだ見ぬ誰かの胸へと届く
必要とする人のもとへ
やさしく降りそそぐように