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写メ投稿

  • 2025-08-04

    自由とチェンソーと、未来の選択

    毎朝10キロを走っていた
    帰宅してからも、腕立て100回、腹筋500回、スクワット500回
    眠くても、痛くても
    「我慢すれば、必ず報われる」と信じてた

    カッコよさって、
    耐えて、結果を出すことだと思ってたから

    ──でも、ある日
    身体は音を立てて壊れた

    人生初の入院
    ベッドの上で、僕は初めて「休む」という行為に戸惑っていた

    病室には皮肉屋のAさんがいた
    「痛がりすぎだよ」「もっと我慢しなよ」
    僕は言い返した
    「してますよ。でも、痛いんです」

    ……それでも悔しかった
    彼の言葉をなかったことにしたくて
    僕はリハビリを無視して、限界まで歩いた

    1週間で回復した
    「ほら、やっぱり我慢すれば結果は出るんだ」
    自分にそう言い聞かせた

    会社では、また“誰もやりたがらない仕事”が僕のところに回ってくる
    上司は笑って言う
    「お前は体力あるから大丈夫だろ?」

    気づけば、やりたくもない作業を
    “効率化の鬼”として完璧にこなす自分がいた
    評価されること、それが正義だと思い込んでた

    今日もサービス残業
    胸の奥がズキズキする
    痛い、なんだこれ……

    終電のホーム
    誰かが後ろをついてくる気配

    ──振り返った瞬間

    天井から、チェンソーを構えた怪物が飛び降りてきた

    Aさんの顔だった

    心臓に激痛
    胸の中心から何かが──引き抜かれる

    長い“紐”が出てきた
    それを引いた瞬間、両腕が──チェンソーに変わった

    血が滲むほどのエンジン音
    Aさんが突進してくる
    僕は両腕のチェンソーを十字に構えて──切り裂いた

    熱と断末魔が空気を裂き
    僕は静かに言った

    「未来のない我慢パーティーは──もう終わりだ」

    そして、意識が遠のいていった

    ──気がつくと
    朝だった

    病院のカーテン越しに、光が差していた
    昨日より少しだけ自由な呼吸ができた

    我慢することは、悪くない
    でも「我慢が正しい」と思い続けたせいで
    自分の願いや感情が、ずっと置き去りになっていた気がする

    だから僕は決めた

    これからは
    “欲望のために我慢する”ことにする

    鍛えるのも、努力するのも──
    誰かに認められるためじゃない

    僕が「こうありたい」と思う自分になるために

    今、両腕に宿るこのチェンソーは
    もう誰かの評価のためじゃなく
    自分の“自由”のためにだけ、うなる