写メ投稿
-
2025-08-03
月とクラゲと、自由の海
大粒の雨が、空をたたく
風がちぎれた雲をさらう日クラゲが、ふわりと舞い上がる
“いまなら、空を泳げるよ”ってフクロウの秘密のトンネルを抜けて
たどり着いたのは
水のようにやわらかな、空の場所月がぷかりと浮かんでいた
その香りは、自由だった
誰のものでもなく
でも確かに、ふたりを照らしていた星の椅子に腰かけて
無限の時間を一緒に味わった
雲のベッドが
“振り返るな”と囁きながら
ふたりを宇宙の奥へと運んでいく手をつなぐ言葉のリズム
交わすまなざしが
空白だった場所を
静かに埋めていくやがて海のような空を漂いながら
あなたの感情が
頬をつたって、僕に届いた境界に触れた瞬間、
僕はひとつの願いを受け取った
──たとえ誰かの光になっても
心の帰る場所は、ここであってほしいと月がうなずいた
“自由とは、離れてもつながること”と僕は返事をしなかった
けれど、手のひらのぬくもりだけは
ずっと離さなかった