写メ投稿
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2025-07-28
光と波と、ふたりの雫
昔は
曇りガラスのようだったあの窓けれど今日は
陽の光を受けて
透明になったガラスに
かもめが一羽、映っていたタロットカードでも
きっと、出なかった未来ふたりが
同じフィーリングの海の上を
すべるように、飛んでいくなんて静かな波のリズムに包まれながら
ふたりは
同じ空気の中にそっと漂い
ただ、それだけで満ちていた青い水面を滑り
空と海のあいだに浮かぶように時間じゃない
言葉でもない濃い夢だけが
美しく、雫のように
心の奥を流れていった通い慣れた街並み
約束のない午後それは、ふたりだけの物語の余白となり
都会の真ん中に
波の音を呼び込んでいたゆれる水の中で
心がふわりと踊り
丘の上では
風が髪を撫でたふたりで描いたのは
瞳の奥にある色彩それは誰にも見えない画材で
ゆっくりと、確かに
この胸の奥に描かれていった帰り道──
ふと、懐かしい声が聴こえて
曇る夜のガラスに
かつての夢が滲んでいく光る夜景のなか
確かにそこに、君がいたきっと今夜も
静かな夢の中で
そのまま、眠りについていくんだろうたとえ
この静けさの先が
どこへ続いているのか、わからなくても光と静けさと、波の記憶を胸に
ふたりで漂ったあの時間は
たしかにここに、残っている