写メ投稿
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2025-07-02
絹と鬼怒と、星のカード
彼女からのメッセージは、
いつも夜のスキマから届く。眠れない夜、
見えない力がほしくて
空を見上げると、
そこに小さな希望が瞬いていた。でも今夜は──
その星空が黙っていた。明け方、
窓から差し込む光といっしょに、
遅れてメッセージが届いた。彼女は今、
何かと静かに向き合っていた。
言葉の端ににじんだものを
僕は、ちゃんと受け取った。痛みを隠さず、でも誰のせいにもせずに
いつものように、まっすぐだった。彼女は、絹のようだった。
触れたとき、優しさで包み込まれる。
でもその奥には、
鬼怒のような力が流れている。自分に嘘をつく世界を
静かに、確実に壊していく力。
その手に誰も気づかなくても、
彼女は星のように、闇を照らしていた。僕はその覚悟を、
両腕いっぱいに抱きしめた。僕がこの世界に足を踏み入れたのも
太陽みたいに強い何かを心に抱えていたから。
それはいつしか川となり、
海に流れ、
いつの間にか、誰かと、世界と、繋がっていった。馬鹿げてるかもしれない。
でも、
「楽しんで生きていく」って決めたんだ。誰が何を言おうと、
この道を、僕は僕の足で進む。そういえば──
夢が叶った日、
仲間が誰もいない帰り道で
ふと入ったコインランドリー。当たり前を手放した先で、
ぽっかり空いた心に、
ひとつの優しさが、そっと入ってきた。外国人の青年に親切にしたら
缶ビールをくれた。言葉も交わせないまま、
それだけの出会いだったのに──
世界が少しだけやさしくなった気がした。絹のように優しく、しなやかに。
鬼怒のように、
誰かのためじゃなく、
“自分の真実”のために立ち上がる力を持って。優しさと強さを、
両方とも抱えて生きる彼女が、
今日も星のカードを手にしている。夜が深くても、
星は遠くても、
灯火はちゃんと残ってる。きっと僕たちは、
進めるだけの何かを、
もう持っている。