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写メ投稿

  • 2025-06-14

    古城と個性と、ハンターD

    会社の命令で、
    その街で一番大きく、
    美しく、光り輝く建物で働くことになった。

    でも扉をくぐった瞬間、わかった。
    そこに差し込んでいたのは、
    太陽の光じゃなかった。

    あれは、他人の“個性”を吸って
    磨かれた、偽りの輝きだった。

    上層部は
    自分の利益だけを追い求め、
    毎日のように怒号を飛ばしていた。

    「お前は他では通用しない」
    「個性なんかいらない」
    「お前なんか必要ない」

    その言葉に、
    人々の目から光が消えていった。
    まるでバンパイアに生気を吸い取られたように。

    僕もその中で、彷徨っていた。
    辞めたいと思っても、
    「自分には何もない」という呪いが
    頭にこびりついて、抜け出せずにいた。

    光り輝いて見えたその場所は、
    表の顔とは違う、正体を隠した“古城”だった。

    ある日、どこからか声が聞こえた。

    「人と違う感性は、とても素敵なこと。
    個性を大事にして、
    自分を信じて前に進みなさい」

    その声に呼ばれるように、
    僕の中の何かが目覚めた。

    右手には、
    闇を切り裂く光の剣が現れた。
    左手には、
    邪気を吸い取り、真の姿を暴く人面瘡が浮かび上がった。

    僕は
    個性を否定し、
    怒号で生気を奪う者たちに立ち向かう
    ハンターDとなった。

    古城に足を踏み入れ、
    人面瘡で邪気を吸い、
    やつらの“本当の姿”をあらわにする。

    右手の剣が
    怒号を、罵声を、恐れを切り裂いていく。

    そのとき——
    古城は、崩れ去った。

    僕は、自由になった。

    それからというもの、
    僕は傷だらけのまま、荒野を駆けている。

    でも、もう怖くはない。

    この手には
    個性に光を与える剣があり、
    誰かの“違い”を見抜ける目がある。

    そうして今日もまた
    小さな声を頼りに
    誰かのために、
    静かに剣を抜いている。