写メ投稿
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2025-06-08
灼熱とクラウドと、ブルームーン
灼熱の午後だった。
空の奥から、雲のすきまを縫って
ひとすじの光が落ちてきた。今日は仕事があるはずだった。
でも、突然ぽっかり空いた時間。ぽかんとした心の中に、
ふいに懐かしい香りが滑り込んできた。まるでテキサスのような暑さの道を走る。
アスファルトが揺れて、
空にはクラウド——
ぷかぷかと、自由に浮かんでいた。思い出したのは、あの人。
どこか気まぐれで、
でも芯に熱を持っていた人。扉をぐぐったその先に、
ちゃんと、彼女はいた。言葉よりも先に、心と心が触れ合った。
そしてふと漏らした言葉——「消えたら、どうする?」
僕は答えた。
「必ず見つけるからね。」それは願いというより、
確信に近かった。だって僕も、
誰かに見つけられて、ここにいるのだから。自由という名のクラウドに乗っていれば、
きっと、また会える。
そう思えた午後だった。帰り道、電車の窓の外に
ぽっかり浮かんでいたブルームーン。たぶん——
気まぐれに漂う彼女は、
あの月の向こうに、
静かにいた気がした。