写メ投稿
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2025-05-03
手をつなげなかった日のこと
手をつなぎ、帰ろうか。
今日は何を食べようか。
そんな何気ない言葉が、
どうしてあんなにも遠かったんだろう。「君と話したかったんだ」
本当はずっと、そう思っていたのに。劣っているって言われてきた。
普通じゃないって笑われて、
僕は、必死に“普通”のふりをしてた。だけど気づいたんだ。
気づいたふりをしただけで、
ほんとうは何もわかっていなかったことに。誰が決めた?
何が正しいって?
何が欠けてるって?
…僕の光は、ただここにあったんだ。
ずっと、ここに。それでも、僕はその光から目を背けて、
誰かの正解に従おうとしていた。
自分を責めて、置いてきぼりにして。でも今は、もう逃げない。
あのときの自分に手を伸ばすように、
僕は今、誰かの心に触れる手になりたい。悲しみも、迷いも、ためらいも。
丸ごと、抱きしめていけるように。
そして、もう二度と
大切なものをすり抜けさせないように。君が光なら、
僕はそれを包む夜になりたい。
静かで、あたたかくて、
ふとした瞬間にそっと思い出すような
柔らかな記憶になりたい。