写メ投稿
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2025-04-30
欲しいって、ちゃんと言えた彼女
昔、音楽イベントで出会った女の子がいた。
照明の陰影に浮かぶ横顔が、やけに艶っぽかったのを覚えてる。音楽に身体を揺らしながら、ふいに彼女が言った。
「私ね、女優になりたいの」
その一言には、不思議な熱と色気があった。
酔ったノリでもなく、照れ隠しでもない。
まるで、自分の奥にある欲望をそっと差し出すような。。時が経って、ふとFacebookに届いた通知。
彼女は本当に女優になっていた。舞台に立っていた。観に行ったその舞台で、俺は言葉を失った。
あの頃のあどけなさは影もなく、彼女は“プロ”として、ステージに生きていた。
目線、声、間の取り方…全てが緻密で、情熱的で、そしてなにより、美しかった。夢って、あんな風に人を変えるんだ。
あのときの夢を育てた彼女を、
ただただ見惚れていた。誰かにどう思われるかよりも、
自分の「これがやりたい」を選び続ける。
簡単じゃない。でも、そこにしか本当の快感はない。僕が今この仕事をやっているのも、
「人の心と身体に触れること」に、抗えないほど惹かれたからだ。常識とか、人の目とか、年齢とか――
そんなものは、最後に自分を幸せにしてくれない。欲しいものをちゃんと欲しがって、
感じたいものをちゃんと感じて、
心が濡れる方へ、正直に歩く人が、
きっと一番美しい。自分の奥にある本音を、ちゃんと感じて生きる人生の方が、
ずっと気持ちいいよ。